Magazine ブログ

航空券込ッ!予算25万円1ヶ月ヨーロッパ一人旅#26スロベニアの鍾乳洞ポストイナ

随分寝た。
シャワーを浴びて身支度をして9時に宿を出た。
外は真っ白な視界が広がっていた。
霧である。
昨日駅から来た道をたどり、
途中にあったミニスーパーで水とチョコレート、
それにバゲットを買い駅までの道を歩いた。

駅に着くとチケットカウンターで、
ポストイナまでの往復チケットを買った。
プラットフォームのベンチに腰をおろし、
先ほど買ったバゲットやチョコレートを
鳩や雀に見られながら、パクついて朝食とした。
所々に落書きがされた車輌は、
20分弱遅れてプラットフォームに入って来た。
乗車後暫くすると、
男性の売り子が飲み物やスナックを売りに来た。
そういえばこれまで男性の売り子は観た記憶がなく、
珍しい光景に思えた。

列車に乗ってから時計が10時半を回った頃車窓からは
霧を抜けて晴れ晴れとした天気がひろがっていた。
11時なると、とても”地方的な”駅ポストイナで下車した。

ポストイナ駅

なにもない片田舎である。
駅を出ると、本日の目的地である
鍾乳洞への道を示す立て看板があった。
看板が指し示す通りなだらかな丘を下っていった。
途中どうも行き過ぎたように感じたので、
人の良さそうな老夫婦に道を尋ねると案の定、道を誤ったようで
少々の迂回を経て、
なんとか目的地までたどり着くことが出来た。

チケットカウンターで16€を支払い、
ちょうど12時の回に参加できた。
自由見学制ではなく時間性になっている。

鍾乳洞に入るとまずスタッフに写真を撮られ、
ディズニーランドよろしくトロッコ列車に乗せられた。
リアルテーマパークだ。
これがすこぶる楽しい。
トロッコは結構奥深くまで走って行き、
時には頭をぶつけそうなくらいにせり出た鍾乳石が迫ってくる。

面白い。

洞内は撮影禁止で写真が一枚も撮れなかったのは残念だが、
もの凄く楽しんだ。
愉快だ。
細長いスパゲッティー鍾乳石や、
たたくと管楽器のような甲高い音のなる鍾乳石、
最後にはコンサートホールにもなる広場と、
恐竜の化石を拝み外に出た。

因にここには、
ホライモリという盲目の両生類が生息しており、
別料金で見れる場所がある。
当然、観ない。
なっといっても金がない。

それから今回の大本命レジャマ城、通称洞窟城へ向かう。
地図で見るに12キロ弱といったところか。
当然ヒッチハイクだ。
と、勝手に納得して再び歩を進めた。

歩きながら車が通り過ぎるたびに、
片手をぐいっと上げて握りこぶしに親指を立てた。
何台も何台も通り過ぎたが、
めげない!
漸く止まった車が途中まで乗せてくれた。
その後山道を歩き森を抜けると草原が広がっていた。
ちょうどそこには山羊やら羊やらがおり、
奴らは何を思ったのか、
こちらを見るや全員で集まって来た。

押し寄せてくる羊の群れ

ちょっと彼らとの交流をたのしんでいると再び車が止まった。
今度は目的地まで運んで行ってくれた。

ありがたい。

風景も含めて良いところである。

城は確かに洞窟に挟まった格好で聳えていた。

鳥取県の投入堂のよう

7€の入場料を支払い、
一応入ってみたが特に感動も無く出た。
中に入ったからと行ってどうのこうのというのはなく、
外から見るのがよろしいと感じた。
富士山とかと同じ類だ。
随分疲れた。
熱は無いだろうが風邪気味である。
怠い。

帰りも当然だがヒッチハイクで頑張った。

時間はかかったがなんとか駅まで戻ることが出来た。

途中長毛種の猫がなんとなく心を和ませたの幸いだった。

合計4人のドライバーにお世話になった。
田舎だったし結構簡単に乗せてもらえるかなと
安易に考えていたが、
予想とは裏腹に酷く時間がかかってしまった。
小腹も空き始めていたので、
帰り道にあったパン屋に入った。
店員は黒目黒髪で、
東洋的などこかエキゾチックな雰囲気のある顔をした美人だった。
ちょっとアイスランドのビョークにも似ていた。

駅で次の列車の時刻を確認してから、
少し高台になっている駅から振り返って街を見た。

日に沈むポストイナ

美しい田舎町だった。
とても満足だったとその夕焼けに沈む街を見ながら思った。
来てよかった。

それから列車に乗り19時くらいにリュブリャナに帰って来た。
車両は結構綺麗で新しかった。

構内を歩いていると妙な、
“日本人的感覚から言えば”
妙なリンゴの自動販売機が設置されていた。
初めて見た。りんごをそのまま売る自販機だ。
日本にもあるのだろうか?

りんごの自販機

疲れ果てて戻った宿には、
日本の筑波大学に留学経験のある
マテヤ・クランツという女性がレセプションにいた。

ホテルのレセプションにて

もともと群馬に留学した事のある女性が
働いているとの事で泊まりに来た宿だが、
その人には会えずじまいであった。
しかし彼女との会話は弾んだ。
英語で会話をしていたので、
彼女がどの程度日本語を操れるのかは、
皆目見当がつかない。
クロアチアの時にしてもそうだが、
異国で日本の事を
“好き”
と言ってくれる人に遇うのは甚だ嬉しく、
そしてこれ以上に耳障りのいい言葉はない。
こういった言葉を聞けるのは先人たちのお陰だと思うと感謝しかないし
一人で異国の土地に両の足で立てることが自体が何よりそうだと思う。

夕食に隣のピザ屋で買っピザをパクつき眠ろうとしたが、
オーストラリア訛りの英語で喋る男二人が
いつまでも喧しくなかなか寝付けなかった。

TAKA

TAKA

酒好きの旅人

唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。

広告