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予算48,000円ッ!ウイグル&パキスタンぶらり一人旅 #19 秘境の谷カラーシュバレー

チトラールのジープ乗場で目的のシープの時間を尋ねると、
10時発だと教えてくれた。情報通りだった。
そして答えてくれたその人はチャーイとチャパティーをご馳走してくれた。
相変わらず旅行者に優しい。

チトラールから南西に一時間程度窮屈なワゴンに文字通り、
すし詰めにされて移動した。

着いた谷の名前は、カラーシュバレー。
正確にはカラーシュバレーは3つの谷を包括しており、
その一つであるブンブレット(ボンボレット)に着いた。
そこに住まうカラーシュ族(カラーシャ族)は、
周囲がイスラム教に浸透していった中で、
独自の文化を保ち続けてきた民族。
唯一パキスタンにおいて、
独自の神を信仰する異色の民族。
言語はインド・ヨーロッパ諸語のインド・イラン語派、
ダルド語系カラーシャ語を話すグループ。
かつてはアフガニスタン側にも同じカラーシャ族が暮らす
“カフィリスタン”があり、
1896年にイスラムへの改宗が徹底され、
“ヌリスタン(光の国、イスラムの光の国)”へと変わったことから、
パキスタンのカラーシャ族だけが唯一の存在となってしまっている。

到着してジープから降りると料金を支払わずに済んだ。
となりのおやじが払ってくれたのか、どうなのか。
いずれにしても旅行者だったから優しくされたことは間違いない。

乗り合い所にある売店

そして自分は特に目的もなく来たから、
丘の上にある宿に決めた。

丘の上の宿

重い荷を下ろし、
ぽけーっとしたり本を読んだり、
のんびりとした時間をすごした。

ちなみにこのカラーシュバレーは普通に、はいどうぞとは来れない、
予めチトラールの警察署を訪ね外国人登録を済ませておく必要がある。
それが許可証となって通行できるという算段。

チャパティーを作る宿の女将さん

カラーシュの女性は足がすべて隠れる黒いドレスを纏い、
肩周りと袖、裾に赤や白のステッチをあしらい、
ビーズの首飾りや、貝やビーズ、コイン、
鈴などで飾られた頭飾りをしている。

独特な民族衣装

長い髪には五本の三つ編みがあり、
そのうちおでこの一本は右側にまわされている。
と、こんな感じでとても独特でいて綺麗だ。

食事の準備中

ちなみに男性はこれといった特徴特になし。

川原へ行くと子供たちが遊んでおったが、
あまりお行儀の良い子達でもなかったので、
似顔絵だけ描いてさっさと引き上げた。

観光客なれしている子も多い

宿に戻り庭先で椅子に腰を下ろし本を読んでいると、
宿の主人がお手製のお酒を持って来てくれた。
ゆっくり話しながら一緒に飲み、
日が暮れると彼の友人も交えて夕食を取った。
食事を始めると同時に、
どこからともなく三匹の猫が現れた。

物欲しそうな顔をしてこちらを見ている。
だので食べていたチャパティーをちぎってあげ、
猫はどこでも同じだなぁーなんて思いながら満点の星を眺めた。

そんな一日はよく眠れるものだ。

TAKA

TAKA

酒好きの旅人

唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。

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