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アイスランドの旅#8 オーロラ
ホテルでは8時半から9時の間にオーロラハントツアーのピックアップバスがきた。
小一時間かけてバスは雲の少ないところへ移動。
昼間のうちにオーロラ予報をネットで確認したところ。
今日も見られるが明日が抜群に見られるという予報が少々悔しかった。
せめて雲さえ無ければと、願うほかない。
友人はバスが走り出すと直ぐに眠りに入った。
ずっと動き回っているので疲れが出るのは仕方ない。
一時イビキをかいたせいで、周りが一瞬ざわついた。
尤も、自分が寝ていても絶対にイビキくらいかいたことであろう。
なにせ日本を出てからまともに寝たのは昨晩だけな上、
今朝も興奮してか変な時間に起きていたからだ。
バスは30分程度走って一旦乗客全員が降りた。
最初の場所では星しか見えなかった、
完全な闇ではなかったがそれはそれで綺麗だった。
流星もしょっちゅう見えた。
しかし、今回のお目当てはあくまでオーロラである。
ツアーガイドの判断で場所を変えることになり
再びバスに乗り込んだ。
続いて移動をした先では先ほどと同じで
一見何にもないような具合だった。
本当にこれは見れるのかと思い一部の客がバスに戻り諦めているときだった、
ようよう雲間を見ると白っぽく光っているところがあるではないか、
そこにレンズを向けてゆっくりめにシャッターを切ってやると
なんと緑色の光の帯が現れたではないか。
カーテンとまでは行かないにせよそれは感動という感情を禁じ得ないものだった。
寒さも眠気も全て吹っ飛んだ。
急いで暗闇の中ピント、絞り、そしてシャッター速度を調節した。
生憎レリーズ(ブレ防止のための有線シャッターボタン)をホテルに忘れてしまった。
でもまあなんとかなる。
f値4.0のレンズで30秒ほどシャッターを開放。
ISOはギリギリノイズを感じない6400にした。
もう一本f値1.4のレンズではISOを1600まで落として10秒開放で十分収まった。
はっきりと2本の帯状になったオーロラを見ることができた。
頭のなかではBjörkが歌うJAZZ「Í Dansi Með ÞÉr」(Sway)」が脳内で再生されていた。
しかし、1番残念だったのは
ツアーに居た中国人観光客だった。
何を考えているのかわからないが、
黙ってはいられないのだろう
しんと静まり返る中彼らははしゃぐ。
注意をされてから少しはおとなしくなったが、
それよりもフラッシュをバシバシ焚くことが気に食わなかった。
フラッシュは近くのものにしか効果はないし、
閃光が入るとこちらの撮影にも影響が出る。
そもそも目が折角暗闇に慣れてきているのにまた光を浴びては
星々さえも見えにくくなる。
ホタルの撮影で明かりを灯しながら来る
日本人もいるのだから国籍人種はどうでもいいが、
お願いだからもう少し予備知識を入れて、
オーロラを楽しみに来た他の人の邪魔だけはしないでくれ。
一生に一度ってことで母国から来た人達だっているか知らんのに。
自分たちのグループだけじゃないんだからと切にそう思った。
そして最後は自分を入れてフラッシュを焚いてオーロラ撮影。
いや、どう考えても無理だろう。
ここまで来ると怒りすらも湧いてこずただ哀れに思う。
写真一枚やるから勝手に合成でも何でもしてくれよと。
Dirty deeds done dirt cheap.
まさに、いともたやすく行われるえげつない行為。
最後帰路についたバスの右手にオーロラのカーテンが現れたッ!
肉眼でもはっきり見ることができ、
ガイドも興奮した様子で
「光が踊ってるよーッ!」とマイクで低い声で語り、
気の利くことに直ぐにバスは都合の良さそうな場所で停まってくれた。
15分程度降りる時間を与えてくれたが轟々と吹く風でちゃんと思うような撮影は困難だった。
3時間を越えるツアーを終え、ホテルに戻ったのは日付を跨いでからだった。
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TAKA
酒好きの旅人
唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。