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航空券込ッ!予算25万円1ヶ月ヨーロッパ一人旅#14 ステファン&オリー フランクフルトにて彷徨う
ヨセフと別れトリアーを後に、
フランクフルトへ向かう列車に乗っていた。
途中乗り換えをして、
フランクフルト中央駅には18時頃に到着した。
持ってきていた文庫本は全て読み切ってしまっていた。
特段すべき予定も無かった。
ただ、真夜中に夜行列車に乗ることだけが決まっていた。
行き先はハノーヴァー経由でベルリンだった。
中央駅に到着したが、
ベルリン行きはどうやらフランクフルト空港駅から出るようなので、
時間もたっぷりとあったし、歩いて行く事にした。
10キロ程度の距離なので、
大方三時間くらい歩けば着くだろう。
とその時は地図を眺めて思った。
バックパックを背負いながら歩いてみると、
郊外へ向かっている所為もあるが、
大都市にもかかわらずあまり街灯も無い。
ただただ住宅街が広がっていた。
途中まではマイン川に沿って行けば簡単に着く。
そう思っていた。
しかし、歩道と車道では道が違った上に森が広がっており、
明かりも無い中に犬の鳴き声までしてきた。
これで狂犬病にでもなったら困るなぁ、
などと考えながらも、
バックパックを背負いながら誰もいない道を黙々と歩いた。
天気も悪くなって来ていた。
ポツリ、ポツリと、いよいよ雨がパラつき始めた。
ちょうど向こう側から歩いてくる二人組の青年が見えた。
これは甚だ都合が良いと道を訊こうと声をかけた。
近くでよく見れば、一人は口にピアスが幾つも付いており、
所謂やんちゃな風貌をした人達だった。
彼らはここにツーリストが歩いている事。
空港に向かって中央駅から歩いて来た事。
どちらに対してもとても驚いていた。
ありえないと。
ここまで2時間以上歩いていた事を告げると。
ダメ押しで驚いていた。
しかし、とても親切な彼らは、
近くのトラムまで一緒に歩いてくれて上に、
いつもやっているのか、
無銭乗車でトラムからSバーン(近郊列車)に乗り継ぎ、
空港に向かう途中にあるサッカー場から乗車して来た、
フランクフルトのサポーターたちに、
もみくちゃにされながらも空港まで連れて行ってくれた。
移動しながら話しているうちに盛り上がり、
列車が来るまで3人でビールを飲みかわす事になった。
実に良い人たちだった。
二人いるうち一人はそこそこ英語が喋れたが、
もう一人は全然だめで、
会話には難儀したがとても愉しかった。
ケルンで渡しそびれた土産をこの人たちに差し上げ、
列車が到着し気分良くフランクフルト空港を離れた。
そして空港を出た列車が最初に停車したのは、
フランクフルト中央駅だった事は彼らに内緒である。
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TAKA
酒好きの旅人
唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。