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航空券込ッ!予算25万円1ヶ月ヨーロッパ一人旅#22 アジアの影、ヨーロッパの匂いのブダペスト
列車に乗り込む前に買ったサンドウィッチを頬張った。
車窓からみえる景色は、
夕焼け時の青紫色の空に照らされる
だだっ広い平原だった。
到着したブダペストは雨が降っていた。
やわらかい雨である。
駅構内にATMが見当たらず、
とりあえず紙にメモした文章を頼りに目的地の宿に向かった。
メインストリートをまっすぐ歩いたところにATMはあった。
色々と計算して10,000Ft(フォリント)を降ろした。
※1Ft≒0.4円
歩いているとスーパーのカイザーが左手に見えた。
そこから三本目の道を左に入り2ブロック目に看板を出していない怪しい宿、
ヘレナハウスはそこにある。
最初工事中の建物が続いたので
潰れたかとも思ったが、
あった。
4階へ上ってすぐ目の前の扉がヘレナハウスで、
入るとソファーとテレビが置いてあり、
ヘレナの家族たちがくつろいでいた。
そこを抜けるとゲスト用のベッドが置かれていた。
先客が二人いるようで、
ベッドの場所などを確認していると、
ちょうど日本人の林さんという夫婦が戻って来た。
宿泊料は3泊以上すると、
1泊1350Ftともの凄く安い。(500円程度)
ちょうど林さん夫婦はPCを持っていた。
ちょいと貸して頂き、久しぶりにネットに繋ぐ事が出来た。
トイレもシャワーも清潔でぐっすりと眠る事が出来た。
翌朝は天気が回復しており晴れていた。
10時前に歩いてエルジェーベト橋まで歩くと、
ドナウ川とブダ城が見えた。
橋を渡ったブダ側にルダッシュ温泉という温泉がある。
立ち寄ると17時以降は25%OFFとの事なので、
先に鎖橋のほうからケーブルカー駅の横を通り、
王宮の丘を登り城へ行った。
なかなか上からの眺めも良い。
国会議事堂なんかはとても綺麗だった。
それでもドナウ川だけを眺めるなら、
静かなブラチスラヴァの方が個人的には良かった。
ただこの国の面白いところは、ヨーロッパにおいて、
唯一アジア系民族の支配が続いた国である。
昔の彫像の中にはどことなく鼻の高くない、
アジア人のような顔つきをした物がある。
それに黒髪で黒い瞳の人もおり、
古いジプシーの歌の歌詞には、
“黒い瞳に恋をした”という一節もあるらしい。
また蒙古斑のある子供もたまに生まれるらしく、
名前に関しては日本と同じ順で苗字が先で、
一般的なヨーロッパとは異なる。
そんなアジアとの繋がりを考えながら歩き、
脇を見れば猫が二匹いた。
観光客など珍しくもないだろうにこちらをじっと見つめていた。
鎖橋を渡り再びペスト側に歩いていると林さん夫婦に偶然遭遇。
狭いものだ。
昼食は宿から割に近い店に入り、
赤ワインで煮込んだグヤーシュをインディカ米と一緒に食べた。
ちょうどハヤシライスのようである。
うまい。
勿論ビールも一緒に頼んだ。
昼間っから飲むビールもやはりうまい。
夕方予定通りルダッシュ温泉へ行き、
ふくよかな現地親父たちに挟まれひとっ風呂。
典型的なトルコ式の風呂であった。
ちなみになぜこちらの温泉にしたかというと、
他の温泉は基本温度が低く、
日本人の風呂好きを満足させるものだはないからだ。
創業は16世紀のトルコ支配時まで遡る。
湯は熱いのに限る。
風呂からあがるとあたりは夕闇に包まれていた。
そして夕飯はスーパーで買ったパンとハム、それにトカイワインを一本。
宿で全て飲み干し、林さんからもトカイワインやポーランド産の蜂蜜のミード酒、
つまみに黒胡椒入りのチーズを頂いた。
どれも実に美味く。
酒がするすると喉を通り、胃袋に落ち着いていった。
そんな夜はヘレナハウス名物漫画タイム。
浦沢直樹『モンスター』を熟読。
おもしろい。
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TAKA
酒好きの旅人
唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。