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航空券込ッ!予算25万円1ヶ月ヨーロッパ一人旅#25 首都リュブリャナは御伽噺の街

クロアチアの首都ザグレブからの出発が遅れた分だけ
そのまま到着時間はずれ込み、
21時過ぎに列車はスロベニアの首都リュブリャナに到着した。
同じコンパートメントで相席をしたノルウェー人に、
「Good journey!」
と言われ気持ちよく別れた。
どこか人を和ませる良い人だった。

とても静かだった。
そして随分と冷える夜だった。
先ずは駅で次に向かうウィーン行きチケットの情報を
インフォメーションカウンターで尋ねた。
(因みにウィーンでは絶対通じない。ヴィエナだといける。)
ものすごく運の良いことに、
明後日の16:00発に限り、
29€という特別価格があると教えてもらうことができた。
その足でチケットオフィスへ行き、
窓口のおばちゃんから先ほどのチケットを購入した。
払い戻し等は利かないと丁寧な説明を受けた。
駅を出ると、より一層寒く、暗く、町は静まり返っていた。
メモしておいた住所を頼りにぽつりぽつりと歩き始めた。

川の流れる通りに出ると、
少しずつ、少しずつ柔らかい街明かりが見えて来た。
蛍光灯のような明るすぎる光は身体を疲れさすので、
日本の光害とも呼ばれる街の明かりもなんとかならないものかと思う。
きつい明るさよりも少々暗いくらいの明るさを個人的には好む。

リュブリャナの中心地まで来ると、
町のシンボルでもある三本橋が現れ、
レストランの前では、
頭に傘の付いた屋外用ガスストーブが赤々と灯り、
街灯はやわらかな光がちょうど、
あたりを包むような雰囲気を演出していた。

おまけに頭上に目をやると、
絵画が宙吊りにされ、浮いていた。

実に妙な感覚になった。
疲れも手伝ったのか、
冗談を抜いて御伽噺の中に迷い混んでしまったのでは?
と真剣に思える不思議な不思議な光景だった。
映画でいうとティム・バートン監督の作品のように。

プラハでは何も感じなかったのに、
よもやスロベニアでこういった気分になろうとは。
奇々怪々。
妙な体験をした。

ぼぉーとしたまま歩いていると、
小さな看板を見つけ目的の宿だと分かった。
店の名も知らないのにである。
店の入り口にはインド系の顔をしたジプシーのような、
男が2、3人おり、
ちょうど良い塩梅でインターホンを押してくれて扉が開いた。
彼らも宿泊客のようだった。
運の良いことにこの宿はユースホステルで、
ホステリングインターナショナルの会員カードが使えた。
中に入るとブロンドの女性が受付をしていた。

ドミトリールームを希求するときちんと空きはあり、
シーズンオフで、
レギュラー料金より幾らか安くなっていた。
2泊で26.02€だった。
聞いていた情報によると、
日本語を話せるスッタフがいるらしく、
そのことを訊いてみると、
他のスタッフで話せる人が確かにいることを教えてくれた。
フロントでシーツを受け取ると、
階段を使って3階にある部屋に入った。
他にも何人か客はいたようだった。
妙な疲れがあったので、
着替えはしたが崩れるように眠りに入った。
ハンガリー、クロアチアと3カ国を跨いだ実に長い一日だった。

TAKA

TAKA

酒好きの旅人

唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。

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