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このままでは気が沈む一方だったから、
逃げるようにしてウルムチを離れた。
ウルムチはウイグル人より既に漢族の方が多くなっちゃっているから、
彼らは自分の国に居ながらにして少数民族と化してしまっている。
なんとなくそのまま続きの中国という感じが強く、
ウイグルに来たという感じがあまりしなかったのも本音だった。

ただ、ウイグル駅で孫を連れたおじいちゃんと仲良くなった。
どうもウイグルの人とはすぐに仲良くなれるようだった。

そして列車で来た道を戻る格好で、鬼のように暑いことで有名なトルファンへ向かった。

到着時の気温摂氏45度ッ！！
列車がついた駅は郊外にあるため、
改めてバスで市街地まで移動をすることになった。
その道がまた砂漠なんです。

道路には舗装もあまりなくなかなかの揺れだった。
その揺れのお陰で日本人一人と他全員ウイグル人という車内は結構盛り上がった。

そしてバスターミナルでは、
トルファン人のアルカンさんという男と待ち合わせをしていた。

実は上海からウルムチへ向かう列車の中での出会い。
彼は友達の結婚式に出席するため、
奥さんと一緒に自分と同じ列車に乗っていたのだ。
バスターミナルに着くと、彼は約束通り待っていてくれた。
わざわざトルファンの市内を案内してもらった。
ウイグルの人たちは本当に親切な人が多く、
また親日家ばかりである。
日本人というだけで軽くヒーローみたいな扱いを受ける。

カメラを向けても大抵は屈託のない笑みで応じてくれる。
撮ったあとにしぶちんの如くお金なんぞ要求はもちろんしない。
宗教上、布（ヒジャブ）で顔を覆っている女性を撮るのは、
本当にお願いしても難しいけれど。
（そもそも失礼に当たるから基本は撮ろうともしなかったが）
それくらいなものだ。

そんなワケでここは散歩しているだけで気持ちよかった。
ようやくウイグルに来たんだなっと実感が湧いてきた。
有名な観光地なのでもしかして人が擦れていると思ったけど、
ただの杞憂であり、そういったこともなかった。
ただただ旅行者に優しいという印象が強く残った。
ただやはり漢族の人間はウイグルの人たちとは、
完全に決別しており、
食事なんかもウイグル人たちの屋台などは、
決して利用していなかった。

本日の宿はトルファン賓館。
結構きれいなホテルだ。

荷をおろしてから、街を散策。
暑い地域だからアイス屋さんがあちこちにある。
これは嬉しい。

一休みしてまたブラブラするも、本当に人がよく歩いていて気持ちが良い。

アイス以外にもジュースがよく飲まれており、はちみつのような甘みのあるもので、
何杯でも飲みたくなる。

ウイグルはいわゆる中華文化圏の外にあり、旅をしていて思うのは、
そのギャップからくるであろう優しさ。
すべてを疑って旅をしなくて良い。
それだけでどれだけ心が柔らかくなることやら。