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予算48,000円ッ!ウイグル&パキスタンぶらり一人旅 #9 祭礼の場(ヘイトカーフ)カシュガル
遂に、遂に到着ッ!
中国鉄路最西端ッ!!
カシュガル(喀什)にッ!!!
タリム盆地西端、シルクロードにおける交通の要衝。
こんなキーワードだけで垂涎ものだ。
妄想族にはたまらない。
地図帳を開くだけでも脳内旅行ができそうな土地。
なんとなく駱駝の隊商(キャラバン)が月の砂漠を移動してたり。
ってのはやっぱりザ妄想ワールドな訳で、
現実のカシュガルは結構開発されていた。
もともとは第一次東トルキスタン共和国の首都。
ウルムチとは違い人口の80%はウイグル人が中心で流石に漢族のほうが少ない。
町の中心には日干煉瓦と泥で構成された壁は見られず、
代わりにでかい毛沢東が例の如く右手を挙げ突っ立っていた。
ちょっと異様にも感じる光景だ。
毛沢東の向かい側は人民広場なるミニ天安門広場みたいな如何にもな感じ。
完全なる漢民族文化。
というか中共思想。
立地は、恵まれているものの人の通りは極端に少なく。
閑散としていた。
有名なヘイトカーフ・ジャーミー(エイティーガール寺院)まで来ると
人がぐっと増えてきた。
理由はなんとなく察しがつくというもの。
ただ真新しく改修されたその姿はちょっとテーマパークのようではあった。
とてもじゃないが1442年に建てられた建造物の重みはあまり感じられなかった。
ちなみにエイティガールとは、「祝日に礼拝を行う場所」の意。
それでも大通りを外れれば、
まだまだ旧市街と呼ばれるような所は残っており、
町の至る所でウイグル人達が、
ウイグルナンやベーグルを焼いていたり、
完全なる中央アジア文化の匂いがしっかりとそこにはあった。
職人たちもたくさん見かけた。
しかし中国化が進み、宗教的文化的選択の自由が消えかけているのは確かだ。
そんなことを考えるとうら寂しい。
※実際に2022年の現在では旧市街地も中国政府指定の充填観光地となってしまい、
テーマパークよろしく、
セメント製の日干し煉瓦を模したイミテーションに再開発されてしまっている。
更にモスクの破壊は進み、モスクのドーム上部にあったイスラム教の象徴である三日月も撤去。
これが現実である。
エイティーガール寺院のドームの上では中国の赤い国旗がたなびいている。
宗教の中国化 中国当局は、テロを起こす「宗教過激主義」を防ぎ、社会秩序や国家統一を保つ立場から、信仰より共産党指導を優先させる「宗教の中国化」を進めている。新疆ウイグル自治区では2017年ごろから、共産党幹部がイスラム教徒のウイグル族住民と「親戚関係」を結ぶ制度を導入し、宗教活動を監視。当局公認の中国イスラム教協会は19年、「イスラム教の中国化」に向けた5カ年計画についての決議を採択した。講義を通じて22年までに、社会主義の価値観や法律、中国の伝統文化などをイスラム教徒に教え込むとしている。
西日本新聞me 2021/5/17 記事抜粋
駅から市内に来るバスを降りると。
韓国人の女の子と出会った。
彼女はこちらに道を尋ねてきた。
都合よくこちらが行くつもりのホテル、
旧ソ連領事館のあったセマン賓館が目的地だったようで
一緒に歩いて向かった。
ここはロビーの価格表にこそ載っていないが、
20元で泊まれるドミトリーがある。
ガイドブックでは30元のドミが清潔だ、
という理由で勧めてくるが男は黙って20元部屋。
開きにくい扉を開けようとすると、
かわいいセマンの制服を纏った、
係りのウイグル人女性があけてくれた。
中は3つベッドがあり、
1つは先客がいるようで荷物が置いてあった。
荷物から日本人だということも分かった。
とにかく腹が減っており力が出ないものだから
散歩がてらラグ麺を食いに出かけた。
当たり前のようにその韓国人が着いて来るから少々困った。
何故か一緒に行動すること前提になっていたようだ。
それはさておき、その韓国人はカメラを3つも持ち歩いていた、
ペンタックスの一眼とキャノンのコンデジ、
それにトイカメラ。
もちろん交換レンズもあり。
普通に重いだろう。
そしておかしいのは自分は観光地に入場しないことが多々あり、
今回も3つほど入場料の発生するところに行き遠目でみて、
いずれも入らなかったがその子も一つも入らなかった。
こちらに合わせているのか?
まあ、無理に経済水準等がちがう人と、
旅行へ行くことになるとお互い嫌な思いをしてしまう。
合わせてくれるだけありがたいとは思った。
この子はたぶん旅行の時はいつもこうしているんだろう。
1人で旅には出るが、すぐに誰かにくっついていく相乗りタイプ。
そんな彼女は翌日別の韓国人グループに混じって
さっさとカシュガルから南へ200km行ったところにあるカラクリ湖へ行ってしまった。
変わり身と言うかその切替え方がある意味凄い。
バックパックの中にはご丁寧なことに、
パジャマが用意されていたのも驚かされた。
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TAKA
酒好きの旅人
唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。