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予算48,000円ッ!ウイグル&パキスタンぶらり一人旅 #14 風の谷のフンザその1

屠殺される直前の鶏

ジブリファンの間ではまことしやかに『風の谷のナウシカ』の舞台と言われているフンザ。
その中心地であるカリマバードに立っている。
かつての王都でもある。
6000mから7000m級の山々に囲まれたこの地はまさに風の谷の村といえる。
4月には桜のような杏子(アプリコット)の花が咲き乱れる絶景で、
バックパッカーの中では桃源郷や伝説の地としても知られる。

フンザピークのレディーフィンガー(6,270m)

ちょうどこの日は良い天気。
トレッキングシューズはもとより
サンダルしか持っていなかったので、
ここカリマバードからアーリアバードという隣の村まで
一時間かけて歩いて買いに行った。(6〜7km程度)

到着して適当な食堂でカレースープとチャパティーで腹を満たした。
それからすぐに中古専門の靴屋に入った。

所狭しと靴が並ぶ

デザインが気に入ったことと、
店主のおやじがやたらイタリア製だと言って勧めるので、
約480円で靴を購入(安かったけど靴下おまけでつけさせたった)。
少々キツイ感じがあったけれども
足も入るし革製で馴染んで来るだろうと判断し決めた。
それと花柄のワンポイントの刺繍も洒落ていた。
それから店主はアフガニスタン人で、
ひたすらカワチャーイ(緑茶)を勧めてくれた。
ついでに言っておくがこの緑茶も当然甘い。

まさに風の谷

購入後2kmほど歩いたところ急につんのめった。
おや?
と思って足元に視線を落とすと靴底が外れてしまったではないか、
あのおやじ。。。
あれだけイタリア製だとか推した割には壊れるの早いだろう。
ということで、非常に歩きにくかったが引返して文句を言ってやると。
おやじはニカッと笑顔を見せ、すぐに修理を始めてくれた。
シクリシクリと針で糸を通して修理をしてくれた。
で、出来上がったやつを見ると少しだけ靴底部分とズレてる。
1〜2mmほど。
このときはまあ難民でパキスタンまで逃れてきて、
頑張っているし履けないことはないからと、そのまま受け取った。

意思疎通はなんでか図れる

これが大きな間違いだと気がつくのにそう時間はかからなかった。
そもそもやや小さいサイズで履きなれていない靴だったので、
歩いているとすぐに足が痛くなってきた。
直してもらった方は余計に違和感がある。
更に近道だと教えてもらった道は、
来た道よりとんでもなく遠回りになっていた。

子供も労働力だ
みんな笑顔が本当に素敵だ

しかし、ここは本当にのどかで、

行く先々で働く子どもたちを目にした。
またアプリコットの栽培がとても盛んで、
ちょうど屋根の上でアプリコットを干す女性や、

ドライアプリコットを仕込んでいる

バケツ一杯のアプリコットを運ぶ女の子にも出会った。

表情が素敵だ

でも残念なことも一つあった。
子供たちが無邪気に遊んでいたので、
カメラのファインダーで何枚か収めさせてもらったときのこと、

唯一お金を無心してきた子たち

誰も彼もではなかったがあるグループはお金を無心してきた。
こんなところでまさかやられるとは!とかなり驚いた。
カンボジアでもせめて花とか持ってくるぞ、と思いながら。
「ワンダラー、ワンダラー」の子どもたちの声を無視。
誰かが最初に小遣いでもあげたのか。
ちょっと悲しくなった。

足は痛いし、子供は金を要求してくるしでヘトヘトになってしまった。
(歩く距離は全然問題ないけど)

そんな日だったが日が暮れてくると自分を待っていたのは、
想像を超える満点の星空だった。
本当、本当に綺麗で魅入ってしまう。
そして一緒の宿に居た日本人がとても星座に造詣のある方で、
アレコレと講釈を受けた。
ありがたい。
イルカ座の存在やかんむり座なんぞこの時初めて耳にした。
ちなみになぜこんなに星が綺麗に見えたかというと、
電力が豊富ではないこの山岳地帯では、
谷を挟んで交互にお互いの村を停電させる。
今日はこちら側の村がちょうど停電だったのだ。
お陰でトイレも難儀するのだが。。。

この満点の星を見たことは忘れないだろう。

TAKA

TAKA

酒好きの旅人

唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。

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