Magazine ブログ
予算48,000円ッ!ウイグル&パキスタンぶらり一人旅 #22 パスーの素敵な吊橋
ギルギットには特に用がなかったので、
到着した足ですぐに次のバスに乗り込んだ行き先はパスー。
中国国境手前の町いや、村だ。
風の谷があるからってパズーでもシーターでもないからね。
途中かなりの疲労感があったので、
途中休憩のアーリアバード(アリ・アバド)で、
行きのときも立ち寄った食堂に入り、
チキンライスを平らげた。
食べれば治るという単純な発想です。
ここから目的地のパスーまでは2時間かからないくらい。
結局、着いたのは午後4時くらいだった。
ペシャワールから出発して、ラワールピンディ、ギルギットと最後にパスー。
締めて32時間の移動。ちーん。
おまけに泊まった宿はホットシャワーがないどころか、
氷河の溶けた水で正に氷水。ちーん。
でも50Rsに値切ったった。
日本円で約50円ですよー。
お小遣い月1500円でも一ヶ月居座れます。
水のシャワーを小学生時代を思い返しながら必死こいて浴びた。
と同時に洗濯物も足踏み方で済まして、少々本を読みながら休憩した。
程なくして散歩に出かけた。
近くに氷河もあるので行こうかと思ったが、
日が暮れるのにそう時間はかからなさそうだったのでやめにした。
近くにあったレストランに入ると日本人が居た。
地下足袋を履いて旅行しているようで新田次郎の孤高の人を彷彿させた。
加藤文太郎か!
でも山には合理的だとも思った。
色々とお喋りをして宿に戻って寝んだ。
翌朝バトゥーラ・イン(宿)の朝食は、
アプリコットジャムを塗ったチャパティーに、
甘いチャーイだった。
今日も本当によい天気。
KKH(カラコルムハイウェイ)からインダス川にかけて広がる
このパスー村は雄々しい山々に囲まれたちょっとした隠れ家。
花と緑が多いのも特徴だが、
山には生物を拒む棘のある植物や
ごつごつした岩ばかりの景色は日本でいう恐山のよう。
それにインダス川というのもなんだか不思議、
歴史の教科書で習ったインダス文明といえばハラッパやモヘンジョダロのイメージが強いが、
それらが位置する南部と違い北部は全くの別もの。
アレクサンダー大王の遠征の影響か金髪や青い目の人もちらほらといる。
もちろん言語もワーヒー語で公用語であるウルドゥ語とは違う。
連日の移動やお湯の出ないシャワー、
標高による気温の変化により体が怠く、
風邪気味だった。
かといってこのまま寝て一日を過ごすのは非常に惜しいので、
サンダルを履いて腰をあげた。
ぷらぷらと歩いていき、先々で出会う村人に道を聞きながら
スリリングブリッジなるパスー名物の吊り橋へと歩を進めた。
明らかに普通の道ではなく、
立派なトレッキング(サンダルだけど)。
途中、途中に積み石がありルートの正否を伝えてくれるが、
たまに偽積み石もある。
その所為か道を間違え、川原から向かっていたのだが、
ここの水が氷河からの水で劇的に冷たいうえに粘土層。
踏み入れた足が抜けません。
真夏なのに凍傷しちまう。
でもここの泥はお肌には良さそう。
水も濁っているがよく見ると鉱物での濁り、
現地人は余裕で飲んでいる。
普通の人が飲んだら即刻トイレとお友達だ。
明らかに道を誤っていた事に気づき、
引き返しているうちに日は容赦なく真上まで来た。
山で囲まれている上にまともな植物もないので日陰もない。
ついでに水も食料もなし。
それでも吊り橋までなんとか辿り着くと、
気怠い体も一挙に楽になった。
150m以上はあろう歯抜けも歯抜けスコスコ、スカスカな吊り橋。
(場所によっては板と板の間隔1m以上!)
意気揚々と渡る自分。
高所恐怖症じゃなくって本当に良かった。
しかし帰りは本当に怠かった。
先程も言ったが遮光物は一切ないし植物もない。
日本の山の良さに改めて感涙。
山の氷河を拝めながら歩いて帰り、
地元の子供たちと杏を食べたり、
日本語の歌を歌ったりしてのんびりと過ごした。
日本語の歌をこんな村の子たちが歌えちゃうんです。
(誰か教えたんだろうなぁ。)
それからもう一言、みんなはサンダルでトレッキングしないように。
-
TAKA
酒好きの旅人
唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。