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航空券込ッ!予算25万円1ヶ月ヨーロッパ一人旅#13 アジアンマニアのヨセフ

ルクセンブルク駅の天井

関連記事:予算25万円1ヶ月ヨーロッパ一人旅#12 ケルン大聖堂と待ち合わせ

ケルンからのローカル列車は、
各駅停車でゆっくりとトリアーに向かっていた。
セリッサに携帯を借りて、
次に会う友人ヨセフに連絡を取るつもりにしていたので、
ちょっと困った。
到着一時間程前になっていた。

仕方ないなと周囲を見ると、iphoneを持った人が居た。
見ればかなりイカつい。
スキンヘッドで髭もじゃなおじさんだ。
身の丈190センチはありそうだ。
見た目こそ怖そうだが人は見かけで判断しちゃいけない。

お願いをしたらiPhoneを貸してもらえ、
なんとかメッセージを送信する事に成功した。
お礼に5円玉を差し出した。
穴の空いたコインは海外では珍しいので喜んで受け取ってくれた。
これは結構常套手段でお礼の際は5円玉あるいは50円玉を渡すようにしている。

やっとのことで安堵できた。

夜の帳も下りて真っ暗になった。
トリアーに着いたのは22:10だった。

かなり気温は落ちておりオランダと比べ随分寒かった。
降りたらすぐヨセフが迎えに来てくれている。
と思ったがいない。

またこのパターンか。

取りあえず寒さを凌ぐため、持っていた衣類を着込み、
一番暖かい格好になった。
公衆電話を使おうとしたが小銭が無くて諦めた。
駅周辺に殆ど明かりがない。
どうしようかと考えた矢先に彼はやって来た。
晩い。
しかし会えて助かった。
もし会えなかったら、
何の情報も持ち合わせていないので、
宿を探すだけでも苦労するところだった。
そう思うとやはりありがたかった。

彼のアパートは歩いて10分程の好立地で、
部屋に入ると
色々なビールと何故か日本の梅酒が置いてあった。
そういえば前にも鍛高譚をドヤ顔をされて出されてことあったな。

当然の流れでそれらの酒をしこたま頂いた。

暖まる。

暖まりながら、あれ?ドイツワインの発祥地だよなここ?
と思いながら休んだ。

翌朝、二人でルクセンブルクへ行った。

ルクセンブルク行きの列車

ルクセンブルクはかつて、
ベルギーと共に現在のスイスのような永世中立国だった時期がある。
しかしスイスと違い軍事力を持たない体裁だったため、
その全土を第一次大戦の時にドイツ軍に占領されてしまう。
ベルギーは非武装でなかったため、抵抗をみせ侵攻を幾らかは抑える。
その後改めて完全非武装の永世中立国の立場を取った両国。
結局1940年にナチス・ドイツに占領されてしまうという顛末を迎える。

結局ベルギーは第二次大戦後すぐに、
ルクセンブルクは1948年のNATO加盟と憲法改正をもって
事実上の永世中立国ではなくなった。

やはり平和も安全もタダでは担保できないと改めて考えさせられる。
そりゃあ、セコムもアルソックもお金持ちには人気なわけだ。

ルクセンブルグ駅

ルクセンブルクは実に小さな国で日本で言うと
佐賀県くらいの面積に人工が60万人ほどだ。
要塞都市でもあり、日本であれば金沢に似ている。
金沢と違いこれだ!という兼六園や九谷焼等の
観光資源があるわけでもないが、
この国は世界一お金持ちの国だ。
一見するとお金持ちの国とは思えない。

アドルフ橋

というのも一般的な大都心にあるべき高層マンションなどは皆無。
どこの都市でも中心地に所謂タワマンが林立し、
下々の者のような世俗と離れ優雅にワインや泡なんかを楽しんでいるが、
それがない。
それどころか高級車も見かけない。
貧乏は全く感じられず、街全体が閑静な雰囲気に包まれている。
美味しそうなレストランもパッと見かけないし、
何よりギラギラした成金がいない。
一方でルンペンも全く見なかった。
要するに格差が少ないのだ。

黄葉が美しい閑静な街


かつての鉄鋼業の街が気がつけば金融業で経済大国。
2つの武器を持つという戦略は日本の地方都市こそ見習うべきであろう。

ノートルダム大聖堂とこけし


フランスとドイツに挟まれた小国は両国がドンパチするたびに
疲弊してどちらかに侵略されるという歴史を持つ故に、
フランス的ドイツ人というハイブリットな人種となり、
会話も食事もドイツベース、法律用語はフランス語。
単独で安全保障も無理。
であれば、ベルギーやオランダと点を結んでEUの中核となる。
※EU本部はベルギーのブリュッセルにある。
大国のうまいこと仲良くさせることで活路を見出す。
賢い!
実際シンガポールも真似をしてASEASNの中心となり、
隣国の富裕層に不動産投資をさせることで
自国に自然と攻撃できない体制を作り上げている。
賢い!

というわけで、特にこれだというものもなく、
ヨセフのおすすめのカフェに入り
野郎二人でいただくアイスはなんとも言えない空気感を醸し出していた。

アイスは美味しかった

十分に街を散策した後、夕方またトリアーに戻り、少し街を歩いた。

夜はヨセフのアパートで晩飯。
内容は何故かタイ料理のイエローカレー。
彼は昨日作って食べたらしく、
お陰で今日一日、しょっちゅうトイレに行っていたことに合点がいった。
アホだな。
相当コレは辛いぞコレは辛いぞと注意を促すも、
私的にはさんざん中国やら東南アジアで鍛え上げられた胃袋だったためか、
翌朝も腹を壊していたのは彼だけだった。

筆舌に尽くしがたいやつだ。

相変わらず突っ込みどころの多いドイツ人だった。
そしてすごいオタクでアジア好き(アジア人女性好き)の良い奴だ。
ありがとう。多謝!

ちょっと潔癖症のヨセフ

TAKA

TAKA

酒好きの旅人

唎酒師。 カメラを持った酔っぱらい。 3歳の頃の夢は旅人。 好き嫌いなしの健康優良児。 無類の猫好きでもある。

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